【人生100年時代を生き抜くヒント】
「資産運用して老後に備えなければならない」と理解していても「何から始めたら良いか分からない」「証券投資始めたいが何を買ったら良いか分からない」「金融資産は預貯金しかない」「元本割れするリスクのある金融商品は怖い」と言う方はとても多いです。

日本の個人金融資産の過半数は現預金
コロナ対策で大量に供給された資金によって世界的な株高は日本の家計にも影響してきています。日銀が四半期ごとに発表している「資金循環統計」の2021年第三四半期の速報値によると、個人の金融資産はほぼ2,000兆円になりましたが、その半分以上は預貯金です。日本人はこれだけの低金利でも金融資産の実に53.6%を現金・預金で保有しています。昨年来の株高で伸び率は株式(前年比+28.6%)と投資信託(前年比+24.0%)が現預金の増加率(+3.7%)を大きく上回っていますが、それらの構成比は株式10.9%、投資信託4.5%と依然として低い水準となっています。

昭和世代の人たちは地道に貯蓄することで着実に増やしていける高金利時代が長かったため、元本割れを極度に嫌う人が多いようです。また、学生時代も含めて、日本はお金に対する教育を怠ってきたため。投資と言う言葉に過剰なリスクを感じる人も多いようです。
取引先銀行からの突然の電話
口座のある銀行から「ご預金の利息がほとんどゼロなのでご提案があります。一度ご来店いただけますか?」という電話を受けたことがある方はいらっしゃいますか? このような電話を受けた方は、預金残高から住宅ローン残高等を差し引いた純資産がプラスで、普通預金に出し入れのない残高がかなりある方です。
最近、個人情報の取り扱いについて神経質になる方が増えてきていますが、みなさんの給与振込口座がある銀行にはみなさんの最重要個人情報が筒抜けになっています。かれらは合法的に住所、氏名、電話番号、年齢、家族構成はもちろん、自宅の担保価値、住宅ローン残高、振り込まれる収入、引き落とされる支出、カード利用高などの口座が介在するすべての取引が把握されています。こんなお宝情報を合法的に利用できるのは給与振込口座を持っている銀行だけです。かれらはすでに遊休資産がいくらあるか把握してますので、以下の手順であなたを誘導します。
① 行員に預貯金残高の多い保守的資産家に電話でアポを取り、来店予約させる。
② 来店すると普段は目にしない個室や豪華な応接室等に通され特別待遇する。
③ 支店長など普段は会うことない上層部が名刺持って挨拶に来て、「私は特別対応されている」と優越感を感じさせる。
④ いかにも顧客の立場で提案しているかを装い、以下のような金融商品を推奨する:高い確定金利の外貨建て預金、利回りの良い貯蓄性外貨建て保険、投資信託
⑤ 「大手金融機関の上層部も一緒に提案することだから間違いないだろう」と錯覚し、申込みしてしまう。
多少のリスクは容認する顧客には投資信託、元本割れを恐れる保守的な顧客には「元本保証です」と言って外貨建て商品を勧められます。「外貨建ては為替リスクがあるから」と為替リスクに気付いた顧客には、円建て投資信託等を勧めます。
このような手順で金融機関の勧めるいずれかの金融商品を申し込んでしまった方は、見直しされることをお勧めします。
資産運用を金融機関に相談してはいけない理由
「なんで一流銀行が、私向けに厳選してくれた金融商品を見直す必要があるんだ。」という方もいらっしゃるかもしれません。一流の金融機関の金融のプロは、みなさんの資産形成を長期的に考えて提案してくれているのでしょうか? 目先の手数料を稼ぐために金融機関が儲かる金融商品ばかり勧めていないでしょうか?
前者だと思う方は、見直す必要はありません。多額の資産を満期まで保有していましょう。豊かな未来が待っています。ただし、豊かな未来が来るのはあなたではなく、その商品を成約した金融商品販売員です。残念ながら、金融のプロというのは、顧客のための資産設計のプロではなく、手数料を稼ぐプロなのです。
一見、リスクなく高利回りが期待できるように設計されていますが、ここには金融商品知識(ファイナンシャルリテラシー)の乏しい資産家を陥れる罠がいろいろと仕掛けてあります。家賃が坪当たり4~5万円もする都内の一等地に店舗を構え、高給の金融商品販売員が個別相談に対応するコストを想像したことがあるでしょうか? 大銀行の都心の店舗にはゆったりとしたスペースに個別相談コーナーが設けられています。顧客一人当たり5~10坪くらいのスペースは時間当たり約4,000円、年収1,000万円の銀行員の時間当たりコストは約6,000円ですので合計1時間当たり1万円です。皆さんに金融商品を申し込んでもらうためには最低2回、合計3~4時間はかかります。このコストはだれが負担するのでしょうか? 慈善事業で銀行が負担するわけもなく、もちろんあなたです。
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